*Zephyrs*

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【池田朱那】「初めて絶望を味わった」

野球専門メディアの「Full-Count」に、
池田朱那ちゃんのインタビュー。
 
野球少女で、
今は野球ドラマに出演中の朱那ちゃん。

色々な媒体で語ってきた野球経験。
初めての内容もあって、読み応えがありました。
 


元野球少女の想いが、
より届くといいな。


朱那ちゃんが出演のドラマ
「八月は夜のバッティングセンターで。」は、今夜最終回!
 
 
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「初めて絶望を味わった」19歳“令和の野球女子”が語る挫折と女優に生かす経験

話題ドラマ「ハチナイ」に出演する野球女子・池田朱那さんにインタビュー

 野球ファンを中心に話題を呼んでいる、テレビ東京の水ドラ25「八月は夜のバッティングセンターで。」の最終回が、8日深夜1時10分から放送される。女子野球部を舞台に、主人公の舞(関水渚さん)と衝突する美希を演じる女優の池田朱那さんは、7年間の野球経験を持つ。2019年に出演したCMで「令和の野球少女」と話題を呼んだ“元野球少女”にインタビュー。「野球から逃げてしまった」と悔やんだ過去や、いま野球に打ち込む女の子たちへ送るエールを聞いた。

 昔から、2つ年上の兄が大好きでした。小学校2年生で野球を始めた兄を追いかけて、5歳のころ、兄のユニホームを着てグラウンドに遊びに行ったのですが、「危ない」と怒られてしまいました。小学生以上でないと入れないチームだったので、私は小学校に入学するまで我慢して、兄と一緒のチームに入りました。自宅には野球をやるためだけの庭があって、両親もすごく協力的だったので、素振りやピッチングなど、兄が丁寧に教えてくれました。なので、投球も打撃も兄そっくりのフォームでした(笑)。

 チームではショートを任せてもらっていました。小学生のころは男女の差もあまりないですし、練習した分だけ上手になっていきました。負けず嫌いで、練習は誰よりもやっていましたし、「頑張らない人なんてありえない!」と思っていました。ショートはすごく動くし疲れますが、責任感のあるポジションでした。ベースカバーや外野の守備位置を確認したり、エンドランがあるかもと思ったり……。頭を使いながらプレーするのが格好いいと思っていたんです。打撃よりも、守備の方が好きでした。

「野球をやめることは罪深いような気がしてしまって、言い出せなかった」

 子どものころ、元巨人・阿部慎之助選手に憧れていました。巨人という強いチームをまとめながら、自分のプレーや練習もおろそかにしない。4番としても、捕手としても、チームを担っていて「こんな選手になりたい」と思っていました。私はパワーがなかったので、阿部選手のようにホームランをたくさん打てる力のある選手に魅力を感じていたんです。

 小学生になってすぐ野球を始めた私は、チームの中でも上手と言われることが多かったのですが、中学生になってからは男の子との体格差に敵わなくなってしまいました。兄を追いかけて入ったボーイズチームは強豪チームで、みんな身体も大きくて。私は身長が伸びず、打てなかったし、走るのもみんなより遅かった。野球をやっていて初めて絶望を味わいました。毎日、家に帰って泣いてばかり。でも、野球をやめることは罪深いような気がしてしまって、言い出せなかったんです。

 周りには「私は女子プロ野球選手になるんだ」と常に言っていました。これまでお世話になった監督は期待してくれていたし、7年間も野球をやらせてくれた親にも「野球をやめたい」と言い出せませんでした。中学1年の2月に野球をやめたのですが、監督に報告するときも泣いてしまいました。私には野球しかなかったので、野球で負けたことに対して、自分でもどうしたらいいのか分からなかったんです。男の子に敵わなくなってしまったことが悲しかったんだと思います。

女優業に生きる野球の経験「7年間やっていたことが無駄ではなかったんだと」

 今は女優のお仕事をしていますが、野球での経験が生きていると思います。上下関係やあいさつ、礼儀というのは全て野球で学びました。それに、「ハチナイ」のCMやドラマで野球をやらせていただいたことで、私が7年間やっていたことが無駄ではなかったんだと思えました。野球から逃げてしまって、後悔していたし、申し訳ない気持ちがあったんです。それが昇華された気がします。

 今年、初めて女子高校野球の決勝が甲子園で行われました。夢のような、ものすごい出来事です! 男の子には“甲子園に出る”という目標がありますが、女の子には叶えられない。実は、私が中学のときに入ったボーイズのチームも、女の子は入れなかったんです。すごくお願いして、やっとの思いで入れてもらえたので、甲子園でプレーできるのは、純粋にうらやましいです。来年もぜひ甲子園でやってほしいです。テレビ中継も楽しみにしています。

 男の子の中に女の子ひとりでプレーすることがつらかった時期もありましたが、野球をやめたことも後悔していました。男の子よりも上手になれないという理由でやめてしまいましたが、それは当たり前で自然なこと。今、野球に打ち込んでいる女の子にも、男の子に勝てなくて悔しいと思うことがあると思います。「女の子なのに野球をやっているなんて」と言われることもあるかもしれません。そういうものを全て跳ね返すくらい、自分の好きな野球をやりたいだけやってほしいなと思います。


○池田朱那(いけだ・あかな)

2001年10月31日、群馬県生まれ。兄の影響で小学校1年から中学校1年まで野球に打ち込んだ元野球少女。2019年に放送されたゲームアプリ「八月のシンデレラナイン」のCMで華麗なプレーを披露し、“令和の野球女子”と注目される。