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大井絵梨花/出演作『がらくた』、みなとみらいで公開中。「人として成長できた作品です」

みなとみらいでの公開は終わってしまいましたが・・・
 
大井絵梨花/出演作『がらくた』、みなとみらいで公開中。「人として成長できた作品です」

香川県坂出市が全面的に協力して完成した映画『がらくた』が念願の関東上陸を果たし、みなとみらいのブリリアショートショートシアターにて12月4日まで公開中だ。
 これは、地方の賑わいを取り戻す――振興――を担うのは子供だ、という観点から、子供たち=ジュブナイルの映画を作ろうというプロジェクトの第一弾。ジュブナイル脚本大賞受賞作を、地元坂出出身の新鋭・名倉監督を起用して作り上げた感動作となっている。メインキャストを務めるのはもちろん、作中で描かれる登場人物たちと同世代の役者たち。ジュブナイル・スターオーディションを勝ち抜いた遠藤健慎、中島来星、飯島颯、大井絵梨花、菊地玲那ら期待の5人だ。ここでは、その中から印象に残る演技を魅せた女優・大井絵梨花に、出演の感想を聞いた。
 
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――出演おめでとうございます。出演が決まっていかがでしたか?
 純粋にうれしかったです。中学生が持っている悩みや葛藤などを等身大に描いていますので、そういう中で生きられるのがとても楽しみでした。


――演じた立野あさひは、いわゆる不良(ヤンキー)でした。
 作品の中で髪を染めるのがずっと夢でしたので、役作りの一環で今回それが実現してうれしかったです。


――撮影中はずっとアレで。
 はいっ! でも回りの人たちには本当に不良だと思われて、ちょっぴり怖がられました......。


――立野あさひの役作りは?
 台本を読んだときに、あさひはすごく優しい子なんだなって思ったんです。同時に温かい心も持っていると。でもそういう部分を隠して生きているので、それをどう演じればいいのかなって思いながら作り上げていきました。グレてしまった部分はおいておいて、共感できるところも多かったので、自分をあさひに寄せていくというよりは、自然とそうなっていたという感覚でした。髪を染めたのも効果的だったのかなって思います。気が付いたら、あさひが見えた! と。


――すると、劇中で見られるのはかなり大井さんの部分が出ている
 やめてくださいよー、私、不良じゃありませんからっ(笑)! でも、撮影が進むにつれてどんどん共感できる部分が増えて行ったように覚えています。


――内面を表現する演技は難しかった?
 そうですね。(あさひは)すごくいろんな気持ちを持っていて、それを押し殺しているという役はいままでなかったので......。でも、人間ってそれが普通だと思うので、私の演技が自然に見えていたらいいですね。


――不良っぽいしぐさについては?
 まず、グレている子というのを想像した時に、ギャルが思い浮かんできたんです。そこで、不良(ヤンキー)とギャルって何が違うのかなって考えました(笑)。結果(笑)、ギャルはスカートが短くて女の子っぽいところがある。一方、不良はスカートが長くて、言葉遣いがキツくて、男の子っぽいところがある。という結論を得て、さらに不良は歩き方ががに股なのかなって考えて、普段からがに股で歩く練習もしたら、2、3日で意識しなくてもできるようになったんです。でも、撮影が終わってもそれが抜けなくて......。歩き方と話し方は家族に注意されちゃいました(涙)。


――結構、役になり切るほう?
 そんなにキャリアがあるわけではないんですけど、この作品が終わった時に、結構自分を(役に)染めていくタイプなのかなって思いました。


――では現場では役になりきってそこにいた?
 そこまでではないと思いますね。「よーいスタート」の掛け声で入り込んでいたように覚えています。でも、現場ではたいていメインキャストは一緒にいて、5人で過ごしていた時間が多かったのも、役作りには大いに役に立ちました。ずっと一緒なので、役に入り込むというか自然とその中で(役の)雰囲気が出来上がっていくんです。加えて、みんな役名で呼び合っていたのもよかったと思います。


――映画『ソロモンの偽証』に出演したときの経験が生きている、と。
 そうですね。ソロモンの時には現場に、役名で呼びあうっていう鉄則があったんです。その経験が生きたと思います。『がらくた』の現場でも、自然と役名で呼び合っていたように思います。


――劇中では、思春期の子特有の反抗期的なものや葛藤なども描かれています。ご自身は?
 小学生から中学生ぐらいの時が反抗期だったかなって思います。あと、中学時代は、結構人の目を気にするほうだったので、なんでもすぐに引き受けてしまって......でも後から、なんでそうしちゃったのかなって、悩みを溜め込んでいくタイプでしたね。
 でも、そうした経験があったからこそ、学べていることもあるし、今回の役についても特にそうしたところを思い起こさなくても、自然とそういう雰囲気になれたんじゃないかなって思っています。共演に現地の現役の中学生の子がたくさんいたのもよかったのかなって感じています。


――後半では、あさひちゃん、活躍しますね。
 そうなんですよ、ネタバレになるので詳しくは話せないのが残念なんですけど。ただ、ずっと心に秘めていたことに対して、このままじゃいけないって思い続けてきたからこその行動なんです。自分で言いたいけど、言えない、けど誰かに気づいてほしい......。そうした感情が発露しての行動だと思いますし、その結果としてのラストは、やばいバレたというものではなくて、すごく心が楽になった! んです。


――舞台挨拶では、絆を感じてほしいとおっしゃっていました。おススメシーンは?
 そこもネタバレになるので、ここでは......。ぼかして言えば、終盤での隼人(遠藤)や瑞樹(中島)、レン(飯島)たちの心の叫びのセリフに注目してほしいです。


――叫びと言えば、あさひちゃんが感情を爆発させるシーンも素敵でした
 ありがとうございます。そこは、台本を読んだときから大事なシーンだなって思っていたので、現場ではものすごく集中して臨みました。もう、ほかのことが目に入らないぐらいでした。とにかく、セリフの言い方にこだわって、監督とも話し合って、(言い方を)何パターンも考えてリハしてからの本番だったし、相手の心を動かさないといけないシチュエーションなので、本気で心を動かせるようにと思いながら演じたので、自分の中でも記憶に残っています。


――監督の演出手法は?
 細かく指導をされるというタイプではなく、基本的に役者に任せて下さる方でした。現場では、ここはこういう気持ちで演じてほしいなっていうことをおっしゃっていましたね。こちらも、台本を読んで気持ちを作り上げてから臨んでいるので、お互いの想いが違うということはあまりなく、自然と(役の意識を)共有した空気が生まれていた現場だなって思います。


――坂出の想い出は
 自然も豊富ですし、海も綺麗だし、すごくいいところでした。劇中に挿入されている工場地帯の夜景がとても綺麗なので、注目してほしいです。


――本作に出演して成長したなって思う部分はありますか?
 "人の支え"や"絆"というものをとても感じた作品になりました。台本の中でも、あさひともしても、個人としてもそれを感じましたね。スタッフやキャストのみなさんからもう、人に対する優しさとか熱意を充分に受け取りましたし、人をもてなすというか、尽くすことを幸せと感じている人たちに囲まれて、女優として、役者としてどうなのか、というよりも、一人の人間として感じることが、受け取るものがとても多かった現場だったなって感じています。私もそうやって常に人に尽くす気持ちを抱いて、普段の生活を、お芝居をしたい、しようって思います。そのほうがもっと人に寄り添ったお芝居ができるんじゃないかなって感じています。本当に、いろいろなことを学ばせていただいた現場だったなって思います。


――今回、念願の関東での上映が始まりました。
 関東での公開も始まって本当にうれしいです。公開のために尽力してくださった方々にお礼の言葉を伝えたいですし、感謝の気持ちでいっぱいです。たくさんの方にこの作品を見ていただいて、人の絆というものを感じてほしいです。


――さて、いよいよ大学受験が迫ってきました。
 実感ないんですよ。どうしましょう。ただ、この間AIで仮装をしたときにふと、来年になったら(高校の)制服もコスプレになっちゃうんだなって気づいたら、なんとなく不安になってきて......。でも、これまでも節目節目をあまり意識することなく通過してきたので、今回もそうなのかなって思います。


――最後に来年の抱負をお願いします。
 とにかく、ずっと何かをしていたいです。ひたすら動き回って"寝る時間がほしい"って言えるぐらいになりたいです。


――今日はありがとうございました。
 
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●映画『がらくた』
12月4日まで、みなとみらいブリリアショートショートシアターにて公開中
<キャスト>
遠藤健慎、中島来星、飯島颯、大井絵梨花、菊地玲那 ほか
<スタッフ>
監督:名倉良祐
脚本:永井優唯
プロデューサー:山本和夫、上野境介
協力プロデューサー:成合一康
制作・配給:キャンター
後援:古のロマンのまちさかいで 坂出市 坂出教育委員
(C)ドラマデザイン社

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(※http://www.stereosound.co.jp/column/idollove/article/2016/11/27/51673.htmlより)

 
 
 
映画「がらくた」
キラキラした青春映画でした。
 
でも、
淡々とした青春でもなく、少年少女たちの心の葛藤の描き方が、
気持ちの描き方がすごく綺麗だった気がします。