*Zephyrs*

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涙が心に染み渡る

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本日公開! の映画、

子猫の涙


1968年に開催されたメキシコオリンピックで、ボクシング・バンタム級にて銅メダルを獲得した森岡栄治武田真治)。
その後プロデビューを果たした栄治だったが、3戦目にして右目網膜はく離を患い、その後もリングに立つも、25歳で引退を強いられる。

しかし彼は「人生なるようにしかならへん」を口癖に、飄々と破天荒な人生を謳歌していくのであった。
栄治の娘・治子(藤本七海)の目線で綴った、切なさと愛に包まれた真実の物語。

真実の物語だけあり、お話そのものにリアリティがありますね。
ボクシングのシーンなんかも、本当にボクシングをやっているかのようでした。

この映画で一番残念なところは、
監督が「やりたいことを盛り込んだ」といっているが、盛り込みすぎているのでは?と思える所。

シナリオを全体的に見ればバランスの取れた良い仕上がりだが。
ワンシーンに20秒くらいなことがあるなど、シーンが短く多いッ!

丁寧に描くことは大事だが、「映画」である以上はある程度の尺にまとめなければならない。
しかし、「1シーン」を大事にして欲しいと多々感じてしまう作品ではありました。

しかし。
“涙が心に染み渡る”を通り、
最近の「恋人の死」で半ば強引に感動を抱かせる作品よりは、一回りも二回りも良い作品です。

心に残る、せりふの数々。
「人間、オギャアと生まれたときから運命は決まっておるんや」
「人生なるようにしかならへん」
「人生の勝ち負けは他人が決めるんじゃない。自分で決めることなんだ」

伝説のボクサー森岡栄治の一生を、多くの人に届けたい。
そういう「強い思い」が確かに伝わってくる映画です。

他人に薦め、多くの人に観てもらいたい作品だと感じました。