*Zephyrs*

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『ふたつのスピカ』最終回

なんだか・・・あっという間に終わってしまった感じです。

1話1話が濃厚で、
作中でアスミたちは走ってばかりでしたが、
ドラマ自体も走っていた感じがあります。

そんなドラマ、『ふたつのスピカ』の第7話、最終回。

最終回「さよなら宇宙学校」

アスミ(桜庭ななみ)はNASAへの留学生に決まり、正式に発表される。
NASAの広報担当者が来日し、
千里(RIKACO)とともに、アスミを最年少留学生としてPRするために動き出す。

訓練中もアスミへのマスコミの取材が殺到し、アスミは宇宙学校内で次第に孤立していく。

府中野(大東俊介)・万里香(足立梨花)・圭(高山侑子)は、
訓練のため秋(中村優一)の四十九日の法要にも出席できなかったアスミとの距離を感じる。

宇宙へ行くためには、友達を失っても今やるべきことがあると自分に言い聞かせるアスミだった。
佐野(田辺誠一)と友朗(高嶋政宏)は、宇宙ロケットの会社を設立しようとしていた。

佐野は府中野たちに「友達ならアスミの思いを理解し見守れ」と諭す。
アスミは仲間たちと一緒に参加した最後の閉鎖環境訓練で、
ケガをした万里香を助けることなく、自分の課題をクリアすることに専念する。

そしてアスミがNASAへ向かって旅立つ日がきた。
唯ケ浜の実家から駅に向かうアスミの目に飛び込んできたのは、
仲間たちが空高く打ち上げた水ロケットだった。





5年後。
アスミは宇宙ステーションから万感の思いをこめて宇宙学校の仲間たちに呼びかける…。

(※番組公式HPより)

イメージ 1


最終回。

友達との時間より、
訓練を優先するアスミ。

今までのアスミからは想像もできない姿。

秋からの最後のメッセージが、アスミの決心を硬くする。

――私は、宇宙へ行く。

秋のメッセージ。

死んだ仲間が残したメッセージというのは定番ですが・・・

意外性のあるメッセージ。

このメッセージで、
アスミは、秋がすべてを悟っていたことを知る。


安易に「僕の分まで頑張れ、アスミならできる」ではなく。
ドラマとしての、「ふたつのスピカ」らしさがでていました。


第5話、第6話と秋の苦しみ葛藤する姿が描かれていましたが、
その、秋の終着点があのメッセージ。

無念さをさらけ出し、涙を流す秋。
そんな姿を見たからこそ、アスミは強く前へと進み、訓練を優先しようと思い至る。

たとえ。
今は孤独になっても。



秋の力のこもったメッセージ。
演じた中村くんの演技。

素晴らしいものがあったと思います。




進む決心をしたアスミ。

秋の四十九日の会場から引き返して行くアスミ

せつないシーンです。


アスミがなぜ引き返してしまうか。
この時点では視聴者も分かりません。

ただ・・・秋のメッセージに何かがあったのかな。と。

何も知らないから。
アスミが何も語らないから。

府中野、マリカ、圭は戸惑う。。。


圭の「もう、アスミの事友達と思わないから」

重い言葉ですね。
この時点で、アスミは完全に孤独。
孤高に耐え。仲間に責められても、彼らの顔も見ず涙をこらえ背を向ける。

アスミの顔は見えませんが・・・
背中からでも気持ちが確かに伝わってきます。

全身での感情表現を見事に演じている桜庭ななみちゃん。
スピカで、女優としての更なる成長を見せた気がします。



向井理さんの再登場。
アスミと出会ったことで、獅子号事故から一歩前に進むことができ、
海外留学を決意することができた桐生だから言える言葉。

桐生の言葉の一つ一つも、このときのアスミには強く響いています。

中途半端に優しい言葉をかけたりせず、
アスミ自身が自分で乗り越えなければいけないと、諭す。

あえて愛情を込めて少し距離をおいた言い方をする桐生。

こういう時に「頑張れ!」と励ますのは簡単ですが、

「頑張れ」とは言わない。
そうしないのが桐生の優しさなのでしょうかね。


最終回ではアスミが強くなり、夢をかなえる回。
一人奮闘するアスミに、誰も同情的な言葉や優しい言葉をかけない。

そんな中でも、アスミは強くなって前に進む。
見ている人も、「頑張ろう」と思えてくるのではないでしょうか。





マスコミが取材に行ったと聞き、
アスミが父親の事務所に駆けつけるシーンがありました・・・。


アスミが宇宙飛行士になることに反対していた友朗。
そんな友朗の最後の言葉。
物語的にも、大きな変化が見られるシーンです。

アスミの努力する姿は、
父の気持ちも変えていたと分かるシーン。


同時に・・・アスミが前へと走り出すきっかけとなる。
親として友朗がアスミに伝えることは―――。

ここでもやはり、他の人たちと同じように、優しい言葉は無し。

このドラマで、
ある意味一番びっくりなセリフ。


「夢をかなえる為なら、マスコミだろうがなんだろうが、何でも利用して宇宙へ行ってほしい。
あんた達も思いっきりやればいい。

母親のことでも、俺のことでも、それがこの子の武器になるならどんどん聞いてくれ。
うちの娘はそんなことでつぶれるようなやわな娘じゃない。」


友朗の堂々とした語り。
娘を信じているからこそ、ただ守るのではなく、その背中を強く押す言葉。

行く先にある厳しい世界を分かっているからこその言葉。







佐野先生は・・・最後にも、大活躍。
佐野先生のセリフは素敵です。



最後のマラソン
壮行会を兼ねたマラソン大会のシーンでは・・・
アスミが涙をこらえ、みんなを抜いていく姿に、いろいろと想いを馳せることができます。

宇宙に行きたいのなら、ライバルを蹴落とす。
アスミは泣きながらも、仲間を一人、また一人と抜いていく。

そんなアスミに、
仲間は思い思いの言葉を投げかけています。



それにしても・・・
このドラマでは、みんな走ってばっかりでした。

走るか泳ぐか。
足の筋肉もムッキムッキになったんじゃないですかね(笑)




旅立つアスミを3人が見送るシーン。

イメージ 2

このシーン。
撮影の際には、ディレクターがアスミ達に対して、
何も言わないから好きにやってみろと言ったそうです。
(ちなみに撮影を、ちょこっと見てました(笑))


孤独だったアスミに・・・
旅立ちへの希望が、光が射すシーンですね。

ラソンシーンがあり、
このシーンがあり、


スピカの最後を見事に彩っていました。





そして・・・


5年後となり、ラストシーンへ。

船外活動の映像には、がっくりとしてしまいましたが・・・


最後のアスミのセリフは、素晴らしいですよね。

「夢を叶えるのに、一番大切なものは何だと思いますか?」

この作品の大きなテーマ、「夢」




叶えるために大切なもの。




イメージ 3

それは、夢を持つことです!


夢を持ち、抱き、それを全力で掴もうとしていくことが、

何よりも大切なことなのでしょうかね。


アスミの言葉。

しっかりと、響き渡りますね。






全7話と短いドラマでしたが・・・
(短い関係で、残念になってしますシーンも見受けられましたが)

楽しいドラマでした。