*Zephyrs*

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その謎を、愛そう。

映画『容疑者Xの献身』。
東野圭吾氏が念願の直木賞受賞となった、「ガリレオシリーズ」の長編小説の映画版。

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全編を通し、「愛」について考えさせられる映画です。

「純愛」、しかし「献身」。

愛する人のためにあそこまで尽くすことが出来るのか、
愛ゆえに、自分の全てを犠牲に出来るのか、
愛する人を守るために、人を殺すことが出来るのか――。

天才数学者が、仕掛けた「完全犯罪」
変人ガリレオこと、天才物理学者がその謎に挑む。

物語自体は倒叙ミステリー形式なのですが、
最後に明かされる、「真相」にはビックリさせられます。


自分自身について考えてみれば、
絶対に石神のような行動はできない。

人を愛していても、その人のために自分を犠牲には出来ないと思う。
愛するがゆえの行動だが、「犯罪」であることに変わりない。


単純なことになる気がするが、
石神のような行動をとる人はいないと思ってしまう。
「天才」だからかもしれないが、個人的には異常に思えた。



さてさて。
原作、『容疑者Xの献身』との比較として、
大きな違いが二つ。
1つは、柴崎コウさんが演じる内海薫は原作にはいない。
もう1つは、登山。

内海薫に関してはドラマシリーズでも同様だが、
ドラマ開始の直前に、原作シリーズで登場している。
(ドラマではメインに女性刑事を起用するために、原作者が同意し登場させた)

そして、登山。
原作には無かったが、映像として湯川と石神を会話を作るには素晴らしい演出にも思える。
(別に雪山である必要は無いが)


原作を先に読んでいたので、
「消えている」などにも、しっかり注目できる。

しかし、
この作品の場合は、原作が先でも映画が先でも問題は無いと思う。

映画版のキャストで、
石神哲哉役が堤真一さんと知り、「え?」と思っていたが、
ゼンゼン気にならなかった・・・

石神を見事に演じていて、
逆に、堤さん以外の石神が考えられなくなった。

そういった感じに、キャスティングも見事だと感じる映画だった。


疑問点やマイナス面も幾らか見えてしまったが、
楽しめる映画だったと思う。





映画冒頭で、ネオジウム磁石を使った事件の実証などを行っていたが、

自分自身も似た実験をやった直後だったの、ちょっとビックリだった。。。


(※画像は、「シネマカフェ」より転載)