*Zephyrs*

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5人の男女が奏でるおかしくも悲しい恋愛協奏曲

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――恋に性別なんてあるの?

TOPLESS


同性愛を描いた映画。

男性×男性の、いわゆる「ゲイ」を描いた作品は数多くあるが、
この映画は「マイナー」路線の強い、レズビアンを中心にした映画です。

レズビアンの生活における社会的背景や、同性愛者ではない人たちとの対人関係、
ジェンダー的に隔てられる存在とも思われる姿を、リアルに描いてある気がしました。




出演は、清水美那さん、奥田恵梨華さん、大政絢ちゃん、坂本爽さん、河合龍之介さん、他。


大変ですよね。きっと。
「同性愛者の心」という、普段は考えないこと。
役を自分のものにするのも大変だったような気がします。

しかし、
みんなみんな、文字通り「体当たり」的に、この作品に向かっていたような雰囲気を感じます。



ストーリィ中には、何度か走るシーンがあります。
夏子(清水美那)と、カナ(大政絢)の競走。
夏子の疾走!

注目なのは、主演女優・清水美那さんの走り。
撮影秘話によると、リアルに5キロも10キロも走っているみたいです。。。
(撮影後、清水さんは歩くことさえ困難になったらしいです)

清水美那:「監督を殺してやりたいとさえ思いました…」(インタビューより)



失恋で酔っぱらった夏子と介助する健太(河合龍之介)が、路上でキスをするシーンがあります。

ゲリラ撮影(道路規制無し)だそうです。
撮影の場所は原宿で、時間は19時過ぎくらいだったとか。。。


カメラやスタッフは全員ビルなどに隠れ、
本物の通行人たちで溢れる中で撮影。

ヒートアップしていく清水さんの酔った芝居。
一般人数十人の視線が注がれる中、戸惑ってしまう当時新人俳優の河合龍之介さん。

完成した映像では、挙動不審な目と表情が、素晴らしかったです。
(リアルな演技を引き出すためのゲリラ??)

なんでも、通行人のオッサンが夏子と助け起こしてしまうというNGもあったらしいです。

河合さんは、凄く思い出に残るシーンになったそうです。

インタビューで監督は、、、
「あれは、エキストラ雇うお金がなかったから。通行人って、いっぱい必要じゃない。
だからゲリラにしただけ。いやー、ただの通行人っていいいよね。ハハハ・・・」
と言っております。

・・・。


撮影エピソード、読んでいると面白かったです。
(他人の不幸はなんとやら。)





さてさて。
素敵な恋愛映画だと思いました。

コピーの通り、「愛する気持ちは、相手が異性でも同性でも変わらない」と教えてくれた気がします。

――誰かを好きな気持ちは、みんな同じ!



強く心に残ったのが、カナのセリフ。
夏子が言った、「お母さん、幸せそうだったね」という言葉に対し、

「“幸せ”って何?」


「幸せ」、「幸福」、「しあわせ」、「シアワセ」
書き方を変えただけでも、印象が大きく変わってくる。

よく、人に対し「シアワセになって欲しい」と言うことがあると思う。
しかし、その「シアワセ」とは何なのか。

今、自分は幸福なのか。

わからない。

幸福は、自分で“感じる”もの。
理屈なってない。

他人にどう思われようと、
客観的にどう見えようと、
自分で幸福と感じれば幸福だし、不幸だと思っていれば不幸なのである。


「Contribution」で剣名舞さんが書かれていますが、
本当にその通りだと思っています。

自分なりの「幸福の定義」を思わされました。

このセリフ。
「幸せ」について、イロイロと考えさせられますよ。


マイナーな映画ではありますが、
多くの人に観てもらいたいです。